人の心に灯をともすYouTube3分動画

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【すべてはご縁から成り立っている】(小林正観)

【すべてはご縁から成り立っている】(小林正観)

1.お釈迦様は六年間山に籠もって、滝に打たれたり、岩の上に座ったり、蚊に刺されたりして、ずいぶん我慢して難行苦行をしてきたんですけど、山から下りてきて「何の役にも立たなかった」と言った。それで竹林の中に入って結跏趺坐をして瞑想をしていたところ、一週間たって、「私は悟った」と叫んだ。それが、十二月八日の朝日を浴びたときだった。 2.それから、三キロぐらい離れたところまで歩いて行きました。そこにはお釈迦様が若い頃からそのときはまだ三十五歳と八ヶ月だったのですがずっと一緒に修行をして、真理に達したい、真理を知りたいなどと思ってきた学友五人が、ある竹林の中で結跏趺坐をして瞑想、座禅をしていた。そこまで歩いて行きまして、お釈迦様は「今日、私はあることを悟った。みなさん聞いてくれるか」と言った。 3.そうしたらその五人の友人たちは、「何があったんだよ、ゴータマ君」と君づけで呼んだそうです。それはそうですよね。いままでずっと一緒に苦しんで、その道を求めてきた人たちですから。そのときにお釈迦様が、これこれこういうことを悟ったと言ったら、わずか二、三分の話だったんですが、その話を聞いた五人が、突然に居ずまいを正して、お釈迦様の前に座り直してこう言った。「私たちは、いまこの瞬間から、あなたを師匠として、私たちは弟子として、あなたに従っていきます」 4.それが、お釈迦様の最初の悟りであり、最初の説教であり、最初にできた五人の弟子なんだそうです。お釈迦様は、一週間の座禅瞑想の結果として、どんなことを悟ったのか。その五人の学友に言ったことというのは、何だったのか。こういうことだったんです。 5.人の人生というのは、すべてが「縁起」によって・・・縁起というのは、自分以外の因果関係、人、事、物、現象、神、仏だそうです・・・組み立てられているがゆえに、すなわち自分以外のすべての存在から組み立てられているがゆえに、自分の思いどおりに自分の人生がつくれると思っている人間は、必ず苦悩する。実は、自分の思いによって自分の人生をつくっているということは、まったくないのだと言った。 6.だから、ちょっとでも自分の意思によって自分の人生が成り立っている、成り立たせることができるというふうに考えている人間、そういう思いをもっている者は必ず苦悩する。苦悩の根源とは、思いであるということを言ったんだそうです。 ◆お釈迦様は「一切皆苦(いっさいかいく)」と言った。すべてのことは、みな「苦」である、と。お釈迦様のいう「苦」とは、思い通りにならないこと。お釈迦様は、目の前に起こることすべてが、「縁」でできているという。起こることはすべて、自分の力や、努力や、思いや、夢や目標でもなく、すべて偶然に起こる「ご縁」から始まる。 ◆学校に入ったことも、会社に入ったことも、結婚したことも、自治会やPTAの役を受けたことも、さかのぼって考えてみると、すべてが何かのご縁。自分の努力で入ったと思った学校も、ずっとさかのぼってみると、何かのご縁から始まっている。「縁起」という、自分以外のすべての存在から組み立てられている。だからこそ、自分の思い通りにはならない。 ◆すべてのことは、「自分の力によるものではない」と思うなら、それは「おかげさま」であり「感謝」しかなくなる。「すべてはご縁から成り立っている」という言葉を胸に刻みたい。
2024年03月27日
00:00:00 - 00:02:58
【豊かな人生の後半生を送るために】(齋藤孝)

【豊かな人生の後半生を送るために】(齋藤孝)

1.豊かな人生の後半を送るためには、どうしたらいいでしょう?一つは、やはりお金が大事です。ある程度の蓄えや備えが必要になります。年金以外に、株やNISAなどの投資信託で運用したり、いざという時のための保険に入っている方も多いでしょう。しかし大切なのはお金だけではありません。たとえ蓄えが十二分にあったとしても、この年代の生き方や考え方を間違えると、思わぬ落とし穴に落ちる可能性があります。 2.一番の問題は、60代に入ると、多くの人にとってそれまでの社会的な立場が大きく変わってしまうということです。それまではバリバリ働き、上司として部下を従えていた。ところが定年を迎えると、その肩書、立場が一気に失われてしまいます。自分に対する周囲の評価が大きく変わってしまう。雇用継続を選択しても、給料は激減してしまう。そこで自信を失ったり、やる気や目標を見失ってしまう人もいます。 3.人生のステージが変わったとき、大事になるのが「切り替え」です。車で言うならギアチェンジです。これまではビジネスの世界で、厳しい競争の中でどうにか勝ち上がろう、生き残ろうと頑張ってきた。それとはまた違った価値観で生きる時間が始まるわけです。それにうまく対応できないと、その先の人生がとても生きづらくなってしまう。 4.市民講座などに参加している女性から聞いた話ですが、講座には定年を迎えた男性も多く参加しているそうです。ただ、最初の自己紹介でやたらと昔の会社の肩書や自慢話をする人が多いとか。「自分のこれまでの活躍ぶりを知って欲しい、仕事一筋でやってきたから、それが一番の自己紹介なのだから」という思いからでしょうが、華々しい経歴だったとしても、そういう挨拶を聞いただけで、距離を置きたくなるそうです。親しくなるために自己紹介をしているのに、いきなり警戒あるいは嫌悪されてしまう。恐ろしい話ですね。 5.しかし、誰にとっても決して他人事ではありません。こういう男性はえてしてプライドが高く、頑固で柔軟性がないため、話をしていてもつまらないことが多いのです。結果として周囲から距離を置かれるので、本人はますます不機嫌になる。「こういう人に限って怒りっぽく、トラブルメーカーになる可能性が高いんです」と、その女性は話していました。私も講師経験があるのでイメージできます。 6.いっぽうで、定年後の人生を、それまでの価値観に縛られず自由に謳歌している人もいます。そういう人は過去を振り返らず、前向きで明るい。やはり、人生のギアチェンジが必要なのです。競争社会の中でがむしゃらに頑張り、評価を得てきた人こそ、ギアを入れ直す必要があります。 ◆齋藤孝氏は、人生の後半生には「ブッダの教え」が重要になるという。たとえば…■悪い友と交わるな。卑しい人と交わるな。善い友と交われ。尊い人と交われ。■まず自分を正しくととのえ、次いで他人を教えよ。そうすれば賢明な人は、煩わされて悩むことが無いであろう。■ことばを慎み、心を落ち着けて慎み、身に悪を為してはならない。■身について慎むのは善い。ことばについて慎むのは善い。心について慎むのは善い。あらゆることについて慎むことは善いことである。 ◆自己をととのえ、慎みを持つことが大事だとブッダは言っている。慎みの反対は「貪(むさぼ)り」。過去を振り返らず、常に前に向かって進むには、生きている限り学び続けることが必要となる。「人生のギヤチェンジをすること」豊かな人生の後半を送るため…いくつになっても、学び続ける人でありたい。
2024年03月26日
00:00:00 - 00:02:56
【難ある人生は、有難い】(ひすいこたろう)

【難ある人生は、有難い】(ひすいこたろう)

1.「人生とは 嵐が去るのを待つ場所ではなく 雨の中でもダンスをして楽しむことを学ぶ場所である」 (ヴィヴィアン・グリーン/アメリカの作家)  2.漫画家として、描いても描いてもボツになる。 自分は才能がなかったのかもしれないと挫折し、部屋で立ち上がる気力もなくなった・・・。としたら、それは最悪の日ですか? 実は、その最悪の日に、運命が変わって描きあげたのが尾田栄一郎さんの国民的人気漫画『ONE PIECE』(集英社)です。  3.「余命5年です!」と宣告されるって、それは確実に人生最悪の日ですよね? 実際にそう宣告されたのは孫正義さんで、それがきっかけで、自分は何を一番大事にして生きたらいいのかに覚醒して、その後のソフトバンクの快進撃が生まれたってご存知でしたか?  4.「ボクは何をやらせてもおそいし、頭もよくないから、普通の人が3日でわかることが30年ぐらいかかってやっとわかったりします。いまでも勉強している事がありますが、何年やってもほんの少しも進歩しないのでおかしくて笑ってしまいます」と語るのは、50歳まで失意と絶望の連続だったという『アンパンマン』を描いた、やなせたかしさんです。 普通の人が3日でわかることが30年かかるって、人生大変そうじゃないですか?  5.「カンパニーぜよー!」と意気込んで、ようやく手に入れた船で初船出を果たしたと思ったら、天下の徳川御三家の船と衝突して、船が沈んでしまうって、人生最悪の日ですよね? しかし、坂本龍馬はその事件で億を超えるお金を手にする流れを作りました。  6.作家を目指すも本を出してくれる出版社はなくて、自費で作ったものの全く売れなかった。 作家を目指す者としては最悪の日々だといえますよね? これは、文豪・宮沢賢治の人生です。  7.偉人の伝記を読むとわかります。 最悪は、不幸じゃない。 最悪は、新しい自分が始まる日であると。 最悪は、自分の人生が、想像を超えて面白くなる兆し。 偉人伝を読むと、このときの不幸があったおかげで、未来にこういう幸せがくるのかと、人生を俯瞰する視線が立ち上がるのです。 偉人たちは教えてくれます。 難が何も無いと、無難な人生になる。 難が有る人生は、有難い人生となると。  ◆小林正観さんはこう語る。 『「幸せを見せてください」と言われた神さまは、まず思いっきり右側に振り子を振ります。 そして私たちが、「もう耐えきれない、ギブアップ」と言うと、神さまはその振り子から手を離します。 振り子は勢いがついて、真ん中を通り越して、大きく左側 (幸せ)に行きます。 そのことに気づいたら、私たちはつらいこと、苦しいこと、大変なことに遭遇したときも、一喜一憂せずに、平静な心でいられるかもしれません。』  ◆「陰極まって陽に転ずる」 という言葉がある。 株の用語で「陰の極」というが、相場が下がり続け、これ以上下げようがない状態をいう。 その時こそが、絶好の買い場だと言われる。 なぜなら、そこからは上がるしかないからだ。 「運」も同じで、不運の方に目いっぱい振れたとき、振り子の原理で、そこからは「幸運」の方に振れる。 不運なときやダメなときに「運がたまっている」状態だ。 難ある人生は、有難い。
2024年03月25日
00:00:00 - 00:02:51
【殖やさなければ減るのがお金】(渡部昇一)

【殖やさなければ減るのがお金】(渡部昇一)

1.ロックフェラーといえば金持ちの代名詞になっているような大富豪だが、彼にはモットーがあった。 それは、 「うんと稼ぎ、うんと貯め、うんと寄付せよ」 という言葉で表現される。 これが彼の一生を貫いたモットーであったから、ロックフェラーは、月給が二十五円のころから月々キチンと貯金をし、それと同時に毎週二銭ずつ教会に寄付することを忘れなかった。 2.彼は一生で五十億円(昭和八年の貨幣価値で)稼ぎ、そのうちの三十億円を寄付し、財産は二十億円ぐらいあったといわれている。 貯めたお金よりも寄付をしたお金のほうが多かったのである。 彼が石油業を始めて間もなくのころ、ハンティングトンという兄弟の屋根葺き職人が、ロックフェラーの石油タンクの屋根をつくった。 そのとき、その代金の支払方法で問題が起こった。  3.ロックフェラーは兄弟に一つの提案をした。 「現金で払ってあげてもいいけれど、それではすぐになくなってしまうから、それだけの 額面の石油会社の株をあげよう」 ところが職人の兄弟は、喉から手が出るほど現金が欲しかったから、この申し出を断った。 しかし、ロックフェラーは真剣に真面目に兄弟に説いた。 「金は儲けたらすぐ貯めることを考えなきゃ駄目ですよ。いいですか。殖やさなければ減るのが金の性質なんですよ」  4.あまりロックフェラーがしつこくいうので、兄のジョンのほうはとうとう口説き落とされて、渋々株を受け取ることを承知した。 だが、弟のハッフは激しい口論ののち、ついに頑張り通して現金を受け取った。 それから二十年が過ぎた。 現金を受け取った弟のハッフはいつまでたっても昔のままの屋根職人であったが、兄のジョンはすでに百万長者になっていた。  5.お金とは実に不思議なものである。 同じ年に入社した社員に同じように給料をもらっていても、十年、十五年、二十年と時間が経過すると、ある人は家を建てているし、ある人は貯金もなくていつもピーピーしている。 結局のところ、ロックフェラーの指摘するように、お金というものは黙って何もしないでいれば減っていくのがその性質のようである。 殖やそうとしなければ減るものなのである。 このロックフェラーの教えを知ると知らないとでは、その人の人生は大きく姿を変えることになるだろう。 貴重な教えとして耳を傾けたいものである。 《殖やさなければ減るのが金の性質である》  ■ロックフェラー/アメリカの大富豪。一会社員から身を起こして世界の石油王になる。幼少より信仰に篤く、 公共事業等に多大な貢献をなした。 (1839~1937)  ◆「入(い)るを量(はか)りて出ずるを為(な)す」 という言葉がある。 収入の額を計算して、それに見合った支出を心がける。 つまり、収入以上にお金を使ってはダメだということ。 あたりまえの話だが、どんなにたくさん稼(かせ)いだとしても、それ以上に使ってしまったら、お金はたまらず、借金が増えるばかりだ。  ◆これは、個人でも会社でも同じことが言える。 とかく、我々は、どうしても欲しいものがあったとき、それ以上に稼げばいいと思ってしまう。 しかし、それは順序が逆なのだ。 「殖やさなければ減るのがお金」という言葉を胸に刻みたい。
2024年03月24日
00:00:00 - 00:02:55
【自分の中にないものは批判や判断ができない】(大野百合子)

【自分の中にないものは批判や判断ができない】(大野百合子)

1.もし今大嫌いな上司や、理解できない出来事が起きているなら、それは自分は誰であるかを知るための貴重な材料を提供してくれているのだと思いましょう。宇宙からきたエイリアンは、地球の習慣をまったく知りません。たとえ長い列の前に無理やり割り込んだ人がいても、それをひどい行為だとは思わないでしょう。つまり、自分の中にないものは批判や判断ができないのです。 2.大嫌いな上司がいたとしたら、その大嫌いな部分は、あなたの意識の中にも存在するということを知ってください。その部分はきっとあなたの影の中に閉じ込められています。影に光をあてることができたら、魂と肉体をへだてている距離はぐっと近づきます。過去を知ることは、今世をよりよく生きるためのものでなくてはなりません。今世の問題を、過去世のせいにしてはいけないのです。 3.何よりも、今、この人生をしっかりと見つめ、幼いころに形成した生き残り戦略から生きるのではなく、自分が大切にしている価値にしたがって生きる人生にシフトしていきましょう。他者からの承認を求めるのではなく、自己承認の人生です。人類の意識のすべてを記録すると言われているアカシックレコードには、今の時代は、心と身体が分離した二次元的な世界から、魂主導の「心身一如(しんしんいちにょ)」の一元的な世界へと変化していく時であると記されています。 4.自分自身になる・・・これからは自分の心が熱くなる方向へ進んでいきましょう。魂の本質、私たちの天才性が自然に輝き始めれば、迷いのない一本の道が現れてきます。そう、人生は自らあなたのほうへやってくるはずです。自分の人生の主人公は私自身です。さあ、かけがえのない、今、この人生を、心からエンジョイしてください。 ◆嫌いな相手のイヤなところばかり目につくなら、それは自分にも同じようなイヤな部分があるからだ。もし、自分にまったくその考えがなければ、そもそもそこに気づかないからだ。いつも上から目線で、偉そうな言い方でマウントしてくるような人が大嫌いだとする。それも、自分の中にも同じように、上から目線の偉そうな言い方をしている部分があるということ。人を非難する前に、自分がそれに気づいて直せばいい。 ◆今の自分にないのなら、それは、過去世にあったこと。それが、魂からのメッセージ。 ◆同じ問題が繰り返し起こることも同じ。自分で気づき「直すこと」、というメッセージ「自分の中にないものは批判や判断ができない」という言葉を胸に刻みたい。。
2024年03月23日
00:00:00 - 00:02:43
【謀(ぼう)を伐(う)つ】 (田口佳史・よしふみ)

【謀(ぼう)を伐(う)つ】 (田口佳史・よしふみ)

1.《上兵(じょうへい)は謀(ぼう)を伐(う)つ。》(孫子) 戦う前にまずたしかめるべきは、相手に戦う気があるかどうかだ。 そのうえで「ある」とわかったら、相手が戦う気をなくすように仕向けるといい。 それもまだ戦いの芽が小さいうちに摘み取ってしまうことが望ましい。  2.「天下の難事(なんじ)は必ず易きより起こり、天下の大事は必ず細(ちいさ)きより作(お)こる」 これは老子の言葉。 天下の難事・大事といえども、事の起こりは簡単に解決できる些細なものだったという意味です。 戦いも同じ。 ある日突然、「さぁ、戦争だっ!」と始まるわけではありません。 ですから、相手の闘争心の芽をできるだけ早い時期に摘み取っておけば、戦いになることを未然に防ぐことができるわけです。  3.たとえば、ライバル会社が自分の会社と同じクライアントを狙っていると察せられるようなとき。 私なら、すぐにライバル会社の社長なり担当者なりに会いに行って、うちと争う気があるかないかをたしかめます。 そのときは丸腰で行くのがポイント。 前にも言いましたね。 大した人物ではないように思ってもらったほうが、相手はこちらをなめてかかり、本音をポロリと洩らすからです。  4.そうしていろんな話を聞きだしながら、「戦意あり」とわかったら、その瞬間から態度を豹変させることが大切です。 可能な限りの方法と回数で歴戦の強者としての実力を示し、自分たちの会社がいかに多くの戦いを勝ち抜いてクライアントを獲得してきたかをアピールするのです。 加えて、こちらが相手の弱みを研究し尽くしていることも明確に示し続けます。 それで相手のこちらに対する印象は大分変わります。  5.さらに、この戦いが「労多くして益少なし」と相手に思わせるような要素を次々と示していきます。 こんなふうに、相手に早い段階で「こいつと戦っても勝てないな」と思わせる。 それが孫子の言う「謀を伐つ」ということ。 これができれば、戦う前にライバルたちをどんどん排除していけるのです。 《戦う前に相手の戦闘心をくじく》 ◆ 「謀略」とか、「はかりごと」、「たくらみ」というと、日本では、あまり印象がよくない。 相手を陥(おとしい)れるという、卑怯(ひきょう)で悪い人間のように思われるからだ。 だから、「だました方が悪い」という結論になる。 確かに、だます方が悪いのに決まっている。 しかし、これが、こと生死にかかわることなら、そうも言っていられない。 だまされたら死んでしまうからだ。 特に戦争を回避するためなら、あらゆる権謀術数は駆使されてしかるべきだ。  ◆世の中のことは、すべてが正しいことや正論で解決できるわけではない。 悪のパワーには、それ以上のパワーをもって臨まないと負けてしまう。 戦いをなくすために、「相手の戦意をなくしてしまうこと」… ときには、「謀(ぼう)を伐(う)つ」ことも大事だ。
2024年03月22日
00:00:00 - 00:02:57
【感情ヒューリスティック】(安田正・ただし)

【感情ヒューリスティック】(安田正・ただし)

1.「感情ヒューリスティック」という言葉があります。聞き慣れない言葉だと思いますが、これは「好きか嫌いか、もしくは、感情反応が強いか弱いかによって判断を下してしまうこと」であり、心理学者のポール・スロビックによって、2002年に提唱された理論です。 2.たとえば、私は晴れている日はそれだけで気分が晴々として前向きになりますが、雨の日はウツウツとしてやる気も下がります。つまりちょっとした変化によって「感情バイアス」がかかるのです。それは同様に、他人からアドバイスをもらったとき、肯定的にとらえることができるか否定的かで、受け入れるかどうかが決まってくるということでもあります。 3.私の経験を振り返っても、人からもらったアドバイスや他人との関わりを受け入れられるか否かは、まず自分自身がどんな心理的状態であるかが大きく影響しています。強運になるには、自分一人の努力だけでは何ともできないことがあります。他人との出会いによって助けられ、引き上げてもらわなければならない場面が必ずあります。そんなときでさえ、自分の心理状態によって、他人からの救いの手をピシャッとさえぎってしまうことがあるのです。 4.人には、自分では考えてもみなかったことを他人から教えてもらうのを受け入れられない、素直になれないという側面がどうしてもあります。また、タイミングも影響します。自分の心理状態で他人の意見を聞けたり、聞けなかったりするものです。しかし、聞けない、受け入れられないという心理状態では、そこで強運がストップします。 5.つまり、感情ヒューリスティックとは、自分の人生の選択に大きな影響を与えてしまうのです。対処法としては、まず自分にも感情ヒューリスティックがあることを知り、自分が今、どんな心理状態でいるかに気を配ること。もし、気分が落ち込んでいたり、ネガティブなほうに振れていると気づいたら、自分で自分のご機嫌をとるのです。 6.特に、仕事で「ここぞ」という場面に向かうときは、その前に自分をご機嫌にしておきます。そして、気持ちが落ち込んでいるときに、「決断」「判断」など大きな決めごとをしてはいけません。ネガティブな感情に引っ張られ、判断を誤ってしまうことが往々にしてあるからです。「笑う門には福来る」ではないですが、強運になるためには、ポジティブな心理状態でがんばることが大事です。 ◆「感情ヒューリスティック」とは、「好き・嫌い」ですべての物事を決めてしまう心理状態をいう。合理性や論理的思考より、感情の方が優先するということ。どんなに正しいことを言われたとしても、「嫌い」ならそれを受け入れられないからだ。部下や友人にアドバイスするときも同じで、その人が不機嫌なときにアドバイスしたら絶対に受け入れてくれない。アドバイスは、相手が機嫌がいい時にするのが鉄則だ。 ◆また、人の意見や提案などを受け入れるには、自分に心の余裕がないと拒否してしまうことが多い。心の余裕があるとは、機嫌がいいことだ。幸運は人が運んでくれるもの。いつなんどき、幸運という、人のアドバイスや情報が入ってくるかわからない。だからこそ、大事なのは、いつも自分の機嫌をよくすることを考えること。それが「オープンマインド」でいること。「感情ヒューリスティック」という言葉を胸に刻みたい。
2024年03月21日
00:00:00 - 00:02:56
【コスモスとカオス】 (齋藤孝)

【コスモスとカオス】 (齋藤孝)

1. 議論をしていると、とにかく波風を立てないように無難にまとめようとする人がいます。 これは会議でも同様で、司会者によってはひたすら秩序を保ちつつ、平穏無事に1時間の会議を終えようとします。 しかし、そこからは新しい発想は生まれません。 議論や会議は、「秩序(コスモス)」と「混沌(カオス)」がほどよく行ったり来たりする状態が理想です。 2.コスモスだけに終始してしまうと、議論はそこに小さく収まってしまって、新しいアイデアは生まれてきません。 まとまりかけたコスモスに、大胆な角度から予期せぬ意見を放り込むと、ある種の混乱が起きて会議はカオス化します。 見たことがない発想が生まれるのは、そういうときなのです。 予定調和で終わらせないというのが大事なポイントです。 3.一方、そういった斜め上の意見だけで1時間話し合っても、会議は永久にまとまりません。 尖った意見の数々を練り上げながらコスモス化していく。 この作業を繰り返すうちに、参加者のアイデアが混ぜ合わさったような、重層的に折り重なった結論が 導き出され、結果として会議は充実したものとなるわけです。 これは、普段の会話でもそうですし、講演会で聴衆の前で話すようなときも同じです。 4.たとえば、本の話をするとき、ひたすらその内容のすばらしさを説くというやり方でもいいのですが、あえて「本は絶滅する運命にある」とか「電子情報の一部となっていく」などと言い出してカオスを起こし、「それでもなぜ人は紙の本に魅せられるのか」とコスモスにもっていくと、奥行きと幅ができ、おもしろい展開が生まれることも多いです。 《コスモスとカオスを行き来して情報を整理する・・・秩序だけでは斬新な発想は生まれにくい》 ◆物事が予定したように順調にいき、意外性のないことを「予定調和」という。 総会などは、予定調和で、シャンシャンで終わりにすることの方が多い。 だが、予定調和で決まったものは、安定感はあるが、面白味に欠けるものが多い。 しかし、実際の人生は、偶然の連続だ。 思ってもみなかったことや、意外なことが連続して続く。 だからこそ、実際の会議や会話や講演などに、「意外性」や「予想外のこと」「型破りなこと」「突拍子もないこと」が必要となるのだ。 ◆予定調和が乱れたとき、人は混乱して、自ら考えるようになる。 時には自ら、予定調和という「秩序(コスモス)」を乱すこと。 そのためには、「混沌(カオス)」が必要となる。 「秩序(コスモス)」と「混沌(カオス)」を行き来できる人でありたい。。
2024年03月20日
00:00:00 - 00:02:43
【運がいいと思うこと】(川上徹也)

【運がいいと思うこと】(川上徹也)

1.一般的に、「運」とは非科学的で、実態がないものだと思われています。 たしかに、「運がいい・悪い」といわれている状況を、客観的に証明しろといわれても難しいでしょう。 確率的には、幸運や不運は、誰に対しても公平に降り注ぐはずです。 しかし、 それでも明らかに「運・不運」はあります。 では、「運がいい人」「運が悪い人」に分かれるのはなぜでしょう?  2.最近は、「運」を科学的に研究する学者もいます。 たとえば、イギリスのハートフォードシャー大学のリチャード・ワイズマン博士は、「運のいい人」と「運の悪い人」を対象に調査を行なうことで、「運」の正体に迫っています。 研究の結果、「運」は生まれつきもっているものではなく、また、単なる偶然でもなく、本人の選択による部分が大きいことが明らかになりました。  3.つまり、「運がいい人」というのは、公平に降り注ぐ幸運や不運の中から、本人も意識しないままに、より多くの幸運をつかまえる選択ができる人のことをいうのです。 実際、ワイズマン博士は、自分は「運が悪い」と思っている人に向けて、「運がいい人」のように行動するよう指導しました。 すると約80%の人が、「自分の運はよくなった」と実感するようになりました。  4.彼らは、合わせて幸福感も強くなったといいます。 あなたも「いいこと」が起きてほしかったら、まずは「運がいい人」になったかのように行動してみてはどうでしょう。 《「いいこと」のきっかけは、思い込みから!》  ◆松下幸之助さんほど、「運」という言葉を大事にした人はいない。 生涯、「わしは運が強い。運の強い男だ」と言い続けたという。 『あるとき、松下少年は、大阪湾内で、夏の日に海に落ちた。 この時も船が気がついて、松下少年は事なきを得たのですが、このときも「わしは運が強い」と言い続けました。 「もし冬の日だったら、病弱な自分は助からなかっただろう。 落ちたのが夏でよかった。 わしは運が強い。運が強かった」と言い続けたのです。』(啼かなくていいホトトギス /中経の文庫)より  ◆本当に運がよかったら、海には落ちなかっただろうに、松下幸之助は「助かった」という、よい面だけを見て、運がよかったと言っている。 運のいい人は、まわりから見ると不運な状況なのに、本人は「運がいい」と思える人だ。 幸運なのか不運なのかは、見方次第、考え方次第で決まる。 どんなときも… 自分は「運がいい」と思える人でありたい。
2024年03月19日
00:00:00 - 00:02:38
【えこひいきされる人に】(斎藤一人)

【えこひいきされる人に】(斎藤一人)

1.よく、俺が本を読ませると、「この本の感想は、どうのこうの」と書いてくる人がいるの。本の感想を書くんじゃないの。本の感想を書くのは学生の仕事なの。「このような良い本を読ませていただいて、ありがとうございます」というような、上の人が喜ぶようなことを書くんだよ。それが大人なの。上の人の機嫌を取れない奴が、お客様の機嫌を取れるはずがないんだ。 2.商いとは、お客様にえこひいきしてもらうことなんだよ。たとえば、俺がえこひいきしている本屋さんがいるんだよ。本屋いっぱいあるんだよ。近くにだってあるんだよ。それがわざわざあそこまで行って、買おうって気になるんだよ。商人っていうのは、えこひいきしてもらえるような性格になるんだよ。えこひいきしちゃいけないなんて、学校だけだよ。 3.商人っていうのは、えこひいきをお客さんにしてもらって、三〇〇メートル離れていようが、五〇〇メートル離れていようが、わざわざ来たくなっちゃうくらい可愛がってもらえるような性格になるんだよ。「斎藤さん、いつも顔色がいいですね」とか、お世辞の一つも言ったりするんだよ。これが商人なの。それが、上の人の機嫌も取れないで、「あの人は一生懸命仕事しているけど、なんか相性が悪くって」って、言われるような社員じゃどうしようもないんだよ。 4.上の人ひとりの機嫌も取れない奴が、大人の世界で生きていけないんだよ。だからみっともなくて、表にも出せないんだよ。そういう奴は。できが悪いんだって、はっきり言ってやらなければわからないの。その程度の仕事ぶりで、できが良いと思っているんだよ。当人は。商人は、つねにえこひいきをしていただく。執着して執着して執着して、えこひいきしてもらえるような人間になるの。 5.つい、あいつ使っちゃうんだよとか、つい、あそこを使っちゃうんだよってなるの。えこひいきされる人間になるんだよ。《「商売」って「人様からえこひいきしてもらうこと」なんだよ》 ◆「戦略おべっか(講談社)」という本の中にこんな話があった。●寒い晩、織田信長が出かけようとしたとき、草履をあたためていたという、木下藤吉郎(のちの太閤秀吉)の若き日の有名なエピソードがある。●また、秀吉が鷹狩の帰りにノドの渇きを覚え、通りがかりの寺に寄って飲み物を求めたときのこと。応対に出た少年(のちの石田三成)は、まず初めに、大きな茶碗にぬるい茶をなみなみと次いで出してきた。それを一気に飲み干した秀吉がおかわりを所望すると、次に最初より小さい茶碗に熱々の茶をいれて出した。相手のノドの渇きを察知して、茶の温度と量を変えたその気配りに感心した秀吉は、少年を城に連れて帰って、家来にした。●この二つの事例は、どちらも、目上の者に対するわかりやすいおべっかである。 ◆現代は、上の人の機嫌を取るのが、まるで、へつらったり、おべんちゃらを言って、相手に取り入ろうとする卑怯なことのように思う人がいる。あるいは能力ないダメ人間が使う姑息(こそく)な手段だと思っている。では、秀吉と石田三成がダメ人間だったのか、という話だ。日本史の中でも、最も能力の高い二人だ。織田信長も、えこひいきして秀吉を登用し、結果として天下人となった。 ◆気の使い方は、日常のささいな一挙手一投足に出る。鋭い観察力がある人や、見抜ける力を持っている人は、人のちょっとした行動を見ている。そして、えこひいきする。商人だけでなく、人として生きていくには、この気配りという、上の人の機嫌をとる力が必要だ。そして、その力を磨くこと。すると、えこひいきされる人となる。同時に大事なのが「愛敬」。人から可愛がられる力だ。商売上手な…えこひいきされる人でありたい。
2024年03月18日
00:00:00 - 00:03:00